ユーモアはバルバラの重要な芸術性のひとつである。ここでのユーモアとは諧謔であり、冗談、愚弄、嘲弄、からかい、揶揄、皮肉をすべて含んだ言葉(…)知性のある人間は最終的にユーモアという手段に訴えるしかない。ユーモアは〈おかしみ〉と同時に共感を引き起こす性質を持つので、自らの不幸を軽減する。(…)心の奥底に抑圧され、しかし日常の生活には現れないものを解き放つための入口であろうか。

_シャルル・バルバラ(亀谷乃里訳)「蝶を飼う男」(解説)